前回の記事『ただの力比べじゃない!ばんえい競馬の予想が驚くほど面白くなる3つのポイント』は読んでいただけたでしょうか。
もし、まだであれば、ぜひ、そちらから、先にお読みください。
あの記事であなたは、ばんえい競馬という『面白さ』の扉を開けたはずです。

…さて。
ここからは、その扉の更に奥へとあなたをお連れしたいと思います。
まめたかが実際に自分のお金を賭ける時に使っている
『4つの重要な柱』についてお話しします。
あなたの、ばんえい競馬の見る目が変わってくれると嬉しいです。
第1章「クラスが違う」ってどういうこと?
初心者の頃は予想をしていても

どの馬が強いの?



とりあえずタイムの速い馬とか?
とよく分からいまま予想をしていました。まずは能力の簡単な物差しになるクラスについて簡単に説明していきます。
結論:『クラス』とは、その馬が戦ってきた「相手のレベル」のこと
一言でいえば『クラス』とは、その馬がこれまで戦ってきた『相手のレベル』と、そこで見せてきた『実績』のことです。
プロ野球で、ずっと一軍の強豪チームと渡り合ってきた選手と、ずっと二軍で試合に出ていた選手では経験してきたプレッシャーも実力も違いますよね。それと全く同じです。
ばんえい競馬はスタートから障害までの駆け引きとゴール前の壮絶な追い比べ。精神力とパワーが試される過酷なレースです。過去に何度も修羅場をくぐり抜けてきた『格上』の馬は、土壇場での勝負強さが全く違います。
では、どうやって、その『クラス』を、見抜くのか?
まずはこの図を見てください。


ばんえい競馬のクラスは、以下のような、明確な『ピラミッド構造』になっています。
- 頂点:【オープン】
- 最も賞金を稼いでいる一握りのトップホースだけが所属できる最高峰のクラスです。
- ばんえい記念(BG1)などの最高峰のレースはこのクラスの馬たちによって争われます。
- Aクラス:【A1】【A2】
- オープンクラスに次ぐ、実力馬たちが所属するクラスです。
- 重賞レースの常連も多くここを勝ち上がれば、オープン入りが見えてきます。
- Bクラス:【B1】【B2】
- 中堅クラスです。ここを、スムーズに勝ち上がれるかどうかが、その馬が重賞戦線で活躍できるかの一つの試金石となります。
- Cクラス:【C1】【C2】
- 下級条件のクラスです。まだキャリアの浅い馬やなかなか勝ちきれない馬たちが所属します。
- (その他)
- 2歳、3歳といった、年齢別のクラスも存在します
クラスには更に『組』分けもされていてA1-1とA1-2なら『A1-1』の方が格上です
第1章まとめ
お疲れさまでした!長々と説明しましたがクラスとはその馬が戦ってきた相手のレベルだと思ってください。この目には見えない『格』を見抜くこと。
それが、ばんえい競馬の予想における、全ての『土台』となります。次の章で、お話しする『実績』とは、この土台の上に成り立っているのです。
第2章「実績がある」って信じていいの?
第一章、お疲れ様でした。これで、あなたは『クラス』を見抜けますね。
次は『実績』のどこに視点を当てるか見ていきましょう。
結論:『実績』とは、「結果」ではなく、「物語」として読め
ここで、あなたに一つのシンプルな「問い」をさせてください。ここに全く同じ「過去5戦の成績が、3勝、2着、2回」という2頭の馬がいたとします。
あなたはこの2頭の『実績』は、全く同じだと思いますか?もし、あなたが初心者であれば「はい」と、答えるでしょう。
しかし、この記事を読み終えた後のあなたは決して「はい」とは、答えられなくなります。
なぜなら、あなたは、『実績』とは、結果ではなく……
では、どうやって、その『物語』を、読み解くのか?
その答え。
それは、私たちが第一章で学んだ『クラス』と、そして『重賞』という、最高の舞台での戦いぶりに隠されています。
先ほどの、2頭の馬。
その、『実績』の中身を詳しく見てみましょう。
- A馬:
- その3つの勝利は全てCクラスのメンバーの弱いレースだった。
- 唯一、挑戦した重賞では、全く歯が立たず二桁着順に大敗していた。
- B馬:
- その3つの勝利のうち、一つは並み居る強豪をなぎ倒した『重賞』だった。
- 2着だった2回のレースも全てオープンクラスで勝ち馬とはタイム差なしのハナ差の惜敗だった。


…もう、お分かりですね。
この、2頭の『実績』の、価値は、天と地ほども、違います。
『実績』を見抜くための「3つの、視点」
視点①:【最重要】『重賞』という、最高の舞台での戦いぶりを見る
まず、見るべきはなんと言っても『重賞』といった最高峰の舞台での実績です。(重賞未経験の時は現クラスを戦績を見てください。)
なぜなら、そこは全ての馬が最高の仕上げで、そして全ての騎手が最高の騎乗で勝ちに来る一切の言い訳が効かない真剣勝負の場だからです。
その極限のプレッシャーの中で
- どのような『走り』で、勝ったのか? (例:2着に圧倒的な差をつけた、など)
- たとえ、負けていたとしても、どのような『内容』だったのか? (例:勝ち馬とはタイム差なしのハナ差の2着だったなど)
この『重賞』での具体的な『走りの中身』こそが重要です。
視点②:その馬の『得意な勝ちパターン』を知る
次にその馬が勝ったレース。それはどんな勝ち方でしたか?
- スタートから一度も先頭を譲らず、逃げ切ったのか?
- あるいは第2障害を降りてから驚異的な末脚でごぼう抜きにしたのか?
- 先行が得意なのか、差しが得意なのか。
その『勝ちパターン』を知ることで、その馬の、本当の「武器」が見えてきます。
そして、次のレースの展開を予想した時に「この展開なら、この馬の『武器』が活きるな」と判断することができるのです。
視点③:その馬の『同情できる負け方』を探す
これこそが、あなたが他のライバルと差をつけるための究極の視点です。
その馬が負けたレース。それはなぜ、負けたのでしょうか?ただ、力が足りなく負けたのであれば、それは仕方がありません。
しかし、そこに何か明確な「敗因」があったとしたら……?
- (例①) 苦手な、軽い馬場だった
- (例②) 背負わされた斤量が、重すぎた
- (例③) 道中で、他の馬に、ぶつけられる不利があった
もし、そこにこのような、「同情できる敗因」があるのであれば。その「負け」は全く気にする必要はありません。
むしろ、次のレースでその「敗因」が解消されるのであればその馬が『本来の力』を発揮して、巻き返す可能性が高い最高の「サイン」となるのです。
第2章まとめ
結論:『実績』とはその馬が、どの『クラス』でどんな『内容』の競馬をしてきたかということ。その『質』を見抜くことが重要です。
第3章「最近、調子がいい馬」買うべき?
第二章、お疲れ様でした。
これで、あなたは『実績』の本当の価値を見抜くことができますね。
さて、いよいよ第三の柱、『勢い』の話です。これこそが競馬予想において最もシンプルでそして、最も重要な要素の一つかもしれません。
『最近、やたらと勝っている馬』
『前走、ものすごく良い内容で走った馬』
そんな、いわゆる『上り馬』を見つけた時。『この勢いなら、次も、勝つんじゃないか?』と。では、その『勢い』は本当に信じても良いのでしょうか?
結論:『勢い』とは『追い風』しかし、風向きは常に変わる


一言でいえば『勢い』のある馬は買うべきです。
なぜなら馬も私たち人間と同じ。心と体のコンディションが最高潮の時には普段以上の信じられないような『力』を発揮するからです。
しかし、最も重要なのはその『勢い』が『本物』なのか
そして、『次も、続くのか』を冷静に見極めることです。
本当の『勢い』を見抜くための『2つの視点』
視点①:その勢いの『原因』を探る
- その馬はなぜ、急に調子を上げてきたのでしょうか?
- 本格化: 年齢を重ね、馬体が完成してきたのか?
- 条件変更: 馬場やクラス、相手が変わったことで才能が開花したのか?
- 騎手交代: 新しい相棒(騎手)との出会いがきっかけだったのか?
- この『なぜ?』を見抜くことで、その勢いが『一過性の偶然』なのか、『本物の実力』なのかを判断することができます。
視点②:『見えない、疲れ』を、疑う
馬は決して機械ではありません。たとえ勝ち続けていたとしてもその一戦一戦で目には見えない『疲労』は確実に蓄積されています。
特に真夏のレースや厳しい接戦を勝ち抜いた後などは注意が必要です。
「あれだけ強かった馬がなぜ今回はあっさりと負けてしまったのか?」その答えのほとんどはこの『見えない疲れ』に隠されているのです。
第3章まとめ
ばんえい競馬では『勢いがクラスを勝るときがある』



こういった場面はかなり見てきました
『勢いのある馬は押さえておくべきです』
第4章「斤量が重い馬」は本当に不利なの?
第三章お疲れ様でした。
これであなたはもう『勢い』という名の、風を読むことができますね。
さて、いよいよ、最後の柱です。これこそが、中央競馬とは全く違うばんえい競馬の予想の『心臓部』
『斤量(きんりょう)』です。
結論:『斤量』とはその馬が背負う「荷物の重さ」。そして「経験値」である
一言でいえば、ただ数字の『重い』『軽い』だけを見ていてはいけません。その馬が過去にどれだけの『重い荷物』を、運んだ経験があるか。
その『経験値』こそが重要なのです。
本当の『斤量』の価値を見抜くための『2つの視点』


視点①:『自己ベスト』を超えられるかという挑戦
まず、最初に確認すべきシンプルな事実。それは「その馬が今回背負う荷物の重さは、その馬にとって、自己ベスト(過去最高)かどうか?」という一点です。
もし、その馬が今回
過去に一度も背負ったことのない未知の重さに挑戦するのであれば。それは過酷な挑戦になります。
もちろん乗り越えてしまう馬もいるでしょう。しかし、基本的には未知の重さは『どうなるかわからないサインを含むもの』だと考えてください。
視点②:『今回の荷物』はその馬にとって重いのか、軽いのか
例えばここに二人の引っ越し屋さんがいるとします。そして今日の仕事は『80㎏の冷蔵庫を運ぶ』
Aさん:これまで最高で75kgの洗濯機までしか運んだことがない。
Bさん:昨日最高で85kgのタンスを一人で運んだばかりだ。
もうお分かりですね。Aさんにとって今日の『80㎏』は未知のそして過酷な『挑戦』です。しかしBさんにとって今日の『80㎏』は『え、昨日より軽いじゃん。楽勝』という感覚でしょう。
これと全く同じことがばんえい馬にも言えるのです。
過去の戦績を見て今回よりも重い斤量を涼しい顔で曳いていた『経験』がある馬はチェックです。
第4章まとめ
斤量チェックの時は全馬の斤量差と経験斤量をチェックし、この馬にとって『今回の斤量が有利に働くか不利に働くかを見極める』のが重要です。
結論:あなたの「疑問」が最強の「武器」になる
ここまで、本当にお疲れ様でした。『クラス』『実績』『勢い』そして『斤量』。この4つの柱について、じっくりとお話ししてきました。
少しは『ばんえい競馬』に興味をもってくれましたか?
今のあなたはゲームで例えるなら『装備品をひと通り装備できた状態』です。準備は出来ました。
その新しい『武器』を手に、あなただけの『予想』という最高の冒険を始めてみてください。最初は『重賞から始めるのが良い』と思います。(馬の比較がしやすいため)



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