9月7日中山競馬場
紫苑ステークス
GⅡ
芝右2,000m
秋華賞へ続く、最後の切符
乙女たちの意地とプライドが中山の急坂で火花を散らす。
春の実績馬か、夏に覚醒した新星か。
世代の頂点へと続く最後の関門が今、幕を開ける。
一筋縄ではいかぬこの難解な一戦。
しかし、この記事では独自の分析手法が勝利へと続く唯一の道筋を照らし出す。
これより注目馬を『3つの視点』に基づき分析する。
- 『能力』を示す戦績の潮流
近走内容が示す明確な上昇度。その流れから各馬が秘める真の能力を読み解く - 『勢い』を測る揺ぎなき実績
コースや距離、そして過去の対戦相手との力関係。その実績の質から現在の勢いを評価する - 『可能性』を秘める陣営の意志
コメントやレース選択から透けて見える勝負気配。その奥に潜む未来への可能性をえぐり出す
この3つの視点から導き出された注目馬の分析をこれより開始する。
レース展望
コース紹介
此度の戦場は中山競馬場、芝2000m
このコースの本質は、ゴール前に二度そびえ立つ急勾配の上り坂にあります。
スタート直後と勝負所である最後の直線の二度にわたり、この坂を越えなければなりません。
一度目の坂でスタミナを削られ、二度目の坂でパワーの有無を厳しく問われる。
これが、中山2000mという戦場の過酷さです。
さらに、小回りのコーナーを回るため、外を回る馬は距離的なロスが大きくなります。
坂を克服する『パワー』と、ロスなく立ち回る『器用さ』、その両方が求められる極めて総合力の高い馬だけが勝利を許される舞台です。
レース傾向
過去9年の歴史的データは、この難解なコースを攻略するための、三つの揺るぎない法則を示しています。
- 人気の傾向:『上位人気馬が、絶対』
過去9年の優勝馬は、全て5番人気以内から出ています。6番人気以下の馬の3着内率は僅か7.0%であり、波乱の可能性は極めて低い。このレースは、フロックが通用しない、真の実力馬を見抜く戦いであることをデータが証明しています。 - 臨戦過程の傾向:『前走オークス組が、王道』
過去9年で、前走がオークスだった馬は計13頭が3着以内に入っています。世代最高峰の舞台で戦い抜いてきた経験そのものが、このレースにおける最大の武器となるのです。 - 実績の傾向:『勝利数が、力の証』
JRAで3勝している馬は高い勝率を誇る一方、1勝以下の馬は過去9年で一頭も優勝していません。勝利という結果を積み重ねてきた実績が、ここでものを言います。
総括
このレースを制する馬は、『二度の急坂をこなすパワーを持ち、前走オークスで戦い、既に複数の勝利経験がある5番人気以内の実力馬』である可能性が、客観的データ上、極めて高いと結論できます。
注目馬
紫苑ステークスの注目馬はこちらです。
馬名 | 短評 |
ダノンフェアレディ | 『夏を越え本格化』 陣営の自信は本物 |
リンクスティップ | 『能力最上位』 問われる歴史の壁 |
ジョスラン | 『良血の素質が開花へ』 試金石の一戦 |
エストゥペンダ | 『末脚は一級品』 中山の坂が最後の関門 |
テリオスララ | 『実績はG1級』 人気落ちなら絶好の狙い目 |
注目馬チェック
ここからは注目馬のチェックをしていきます。
ダノンフェアレディ
- 2025年7月6日、小倉、牝1勝クラス、1800m芝、1着
- 2025年4月13日、阪神、忘れな草賞(リステッド)、2000m芝、4着
- 2025年2月10日、京都、エルフィンステークス(リステッド)、1600m芝、5着
- 能力
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- 夏を越えて心身ともに急成長前走の勝ち振りは本格化の兆しを感じさせる
- 勢い
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- レースセンスが高くパワーを要する展開にも対応可能だ
- 『二度の急坂』への適性はメンバー上位と見る
- 可能性
-
- 『今までで一番いい』というコメントは絶対的な自信の表れであり最高の勝負気配だ

夏を越えての成長力が最大の武器だ。陣営のコメントからも、絶対的な自信が窺える。
リンクスティップ
- 2025年5月25日、東京、優駿牝馬(オークス)(GⅠ)、2400m芝、5着
- 2025年4月13日、阪神、桜花賞(GⅠ)、1600m芝、3着
- 2025年2月9日、京都、きさらぎ賞(GⅢ)、1800m芝、2着
- 能力
-
- G1での実績は最上位であり『前走オークス組』という歴史の法則にも合致する
- 勢い
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- 勝ちきれないレースが続いている点は否定できない
- しかし『1勝馬は優勝がない』という過去9年の歴史が示す最も重い枷を背負っている
- 可能性
-
- 騎手がコースへの不安を公言しており『器用さ』が求められる舞台でこれは致命的な弱点になりうる



能力最上位は誰もが認めるところ。しかし『1勝馬は勝てない』という歴史の法則はあまりにも重い。
ジョスラン
- 2025年5月24日、東京、カーネーションカップ(1勝クラス)、1800m芝、1着
- 2025年3月22日、中山、フラワーカップ(GⅢ)、1800m芝、4着
- 2024年12月21日、中山、新馬戦、1800m芝、1着
- 能力
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- 成長力という最大の武器を持つ良血の素質が開花すればG1級相手でも通用する可能性を秘める
- 勢い
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- 『パワー』も『器用さ』も一線級相手では未証明であり未知数の部分が大きい
- 可能性
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- 陣営の期待は極めて高く勝負気配は強い



エフフォーリアの全妹という血統背景、そして、陣営の期待の大きさ。そのポテンシャルは計り知れない。
エストゥペンダ
- 2025年8月16日、新潟、中郷特別(1勝クラス)、1800m芝、1着
- 2025年5月24日、東京、カーネーションカップ(1勝クラス)、1800m芝、3着
- 2025年4月27日、東京、フローラステークス(GⅡ)、2000m芝、4着
- 能力
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- 鋭い末脚が武器だがその本質はスピードにある
- 中山の『パワー』比べでその切れ味が鈍る可能性は高い
- 勢い
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- 重賞での好走実績は能力の証明となる
- しかし『1勝馬は優勝がない』という法則に該当してしまう
- 可能性
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- 距離延長への折り合いが最大の鍵となるだろう



重賞で好走してきた実績は評価すべきだ。だが、このコースであの末脚が活きるかは疑問が残る。
テリオスララ
- 2025年8月2日、札幌、STV賞(3勝クラス)、2000m芝、13着
- 2024年12月8日、京都、阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)、1600m芝、3着
- 2024年10月26日、京都、萩ステークス(リステッド)、1800m芝、1着
- 能力
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- 前走大敗は骨折休養明けであり『敗因の明確な凡走』と判断できる
- 一度叩いた上積みがなければここでも通用しない
- 勢い
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- 『3勝馬』であり歴史の法則をクリアしている
- 阪神JF(G1)3着の実績は『パワー』の証明に他ならない
- 可能性
-
- 陣営は前走からの巻き返しに燃えておりその気配は十分だ



G1・3着の実績は、決してまぐれではない。前走大敗で人気が落ちるなら、絶好の狙い目となる。
最終結論:歴史の法則が導く5頭
これまでの全ての分析を総括し、歴史の法則が導き出す、選ばれし五頭をここに宣言する。
本命の栄誉は
夏を越えての著しい成長力は、このレース最重要の問いである『二度の急坂を克服するパワー』に、最も高いポテンシャルで応えられると判断。
陣営の絶対的な自信も、その評価を後押しする。
対抗には
能力最上位であり、『前走オークス組』という強力なデータを満たす。
しかし、『1勝馬は優勝がない』という絶対的な歴史の法則に抵触するため、信頼性の観点から対抗評価が妥当と結論した。
続くジョスランも、ダノンフェアレディ同様、その成長力に大きな魅力を感じる一頭だ。
そして、最高の妙味ある穴馬候補としてテリオスララを特注の✔とする。
『3勝馬』という歴史の法則をクリアし、G1・3着という『揺るぎなき実績』を持つ。
前走大敗による人気落ちが見込める今回は『敗因の明確な凡走馬』として、絶好の狙い目となるだろう。
最終的な印と買い目提案
最終的な印
- ◎ 本命: ダノンフェアレディ
- ◯ 対抗: リンクスティップ
- △ 単穴: ジョスラン
- △ 連下: エストゥペンダ
- ✔ 特注: テリオスララ
ワイド一点チャレンジ(最重要)
ダノンフェアレディ×テリオスララ
勝利への道筋(推奨買い目)
- 本線(堅実策):
馬連/ワイド: ◎ – ◯ (1点) - 中核(標準策):
三連複: ◎ – ◯ – △△✔︎ (3点) (※△はジョスランとエストゥペンダ) - 高配当(奇襲策):
三連単: ◎ → ◯△△✔︎ → ◯△△✔︎ (12点)



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