9月7日パリ・ロンシャン競馬場
ムーランドロンシャン賞
GⅠ
芝右1,600m
秋のパリ、ロンシャンの風車が、欧州マイル王の誕生を告げる。
武豊騎手が日本人騎手として初めて海外G1制覇の偉業を成し遂げた伝統と格式を誇る一戦。
今年は、日出づる国よりゴートゥファーストが参戦し、その歴史に新たな名を刻むべく、欧州の強豪に挑む。
一筋縄ではいかぬこの難解な一戦。
しかし、この記事では、独自の分析手法が、勝利へと続く唯一の道筋を照らし出す。
これより注目馬を『3つの視点』に基づき分析する。
- 『能力』を示す戦績の潮流
近走内容が示す明確な上昇度。その流れから各馬が秘める真の能力を読み解く - 『勢い』を測る揺ぎなき実績
コースや距離、そして過去の対戦相手との力関係。その実績の質から現在の勢いを評価する - 『可能性』を秘める陣営の意志
コメントやレース選択から透けて見える勝負気配。その奥に潜む未来への可能性をえぐり出す
この3つの視点から導き出された注目馬の分析をこれより開始する。
レース展望
此度の戦場はパリロンシャン競馬場、芝1600m
このコースの真髄は、巧妙に配置された二つの罠にある。
第一の罠は、向正面の直線に存在する『高低差10mの上り坂』だ。
ここで無駄な力を使えば、最後の直線で必ず脚が止まる。
スタミナの配分が厳しく問われる、最初の関門である。
そして、その先には第二の罠、『フォルスストレート(偽りの直線)』が待ち受ける。
あたかもゴール前の直線であるかのように錯覚させ、早すぎるスパートを誘発するこの区間は、数多の騎手を葬ってきた。ここで冷静さを失った者は、勝利の資格を失う。
これら二つの罠を乗り越えた先に、ようやく現れる約533mの平坦な最終直線。
真の強者のみが、その末脚を存分に発揮できるのだ。
過去10年のデータは、この過酷な戦場を制するための揺るぎない法則を示している。
最も重要なのは、前走で『ジャックルマロワ賞』を使った馬が過去10年で3勝、2着7回と出走すればほぼ確実に連に絡むという絶対的なデータだ。
この歴史の法則に基づき、注目馬を鋭く絞り込んでいく。
注目馬
ムーランドロンシャン賞の注目馬はこちらです。
馬名 | 短評 |
ダンシングジェミナイ | 『歴史の法則』 がこの馬を指し示す |
アンリマティス | 『ロンシャンを知り尽くした』 G1覇者 |
ロザリオン | 『能力最上位』 臨戦過程に唯一の不安 |
リードアーティスト | 『G1馬』 の実力安定感に課題 |
ゴートゥファースト | 『二つの強力データが示す』 最大の伏兵 |
注目馬チェック
ここからは注目馬のチェックをしていきます。
ダンシングジェミナイ
- 2025年8月17日 ドーヴィル ジャックルマロワ賞(G1) 芝1600m 3着
- 2025年6月17日 アスコット クイーンアンステークス(G1) 芝1600m 8着
- 2025年5月17日 ニューベリー ロッキンジステークス(G1) 芝1600m 2着
- 能力
-
- 前走『ジャックルマロワ賞』3着という臨戦過程は歴史が示すこれ以上ない追い風
- 勢い
-
- 昨年の仏2000ギニー2着の実績は坂と偽りの直線を克服するスタミナの証明となる
- 可能性
-
- 唯一G1での勝ち鞍がない点が最大の課題だがそれを補って余りある好条件が揃った

歴史の法則が指し示した1頭
軸馬候補筆頭です
アンリマティス
- 2025年7月30日 グッドウッド サセックスステークス(G1) 芝1600m 3着
- 2025年6月17日 アスコット セントジェームズパレスステークス(G1) 芝1590m 2着
- 2025年5月11日 パリロンシャン 仏2000ギニー(G1) 芝1600m 1着
- 能力
-
- G1で常に上位争いをしておりその『安定感』は高く評価できる
- しかし最重要の臨戦過程であるジャックルマロワ賞を経由していない点は割引材料だ
- 勢い
-
- 当コースで行われた仏2000ギニーの覇者でありコースへの適性は全馬の中でNo.1だ
- 可能性
-
- コース適性を武器に臨戦過程の不利を覆す可能性を秘めている



コースへの適正は証明済み
あとは臨戦過程の差がどうでるか
ロザリオン
- 2025年8月23日 ヨーク シティオブヨークステークス(G1) 芝1400m 4着
- 2025年7月30日 グッドウッド サセックスステークス(G1) 芝1600m 2着
- 2025年6月17日 アスコット クイーンアンステークス(G1) 芝1600m 2着
- 能力
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- G1での実績はメンバー最上位であり能力の絶対値は疑いようがない
- 勢い
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- ジャックルマロワ賞を経由していない臨戦過程はデータ上決定的な割引材料となる
- 可能性
-
- 絶対能力で臨戦過程の不利を克服できるかその一点に注目が集まる



能力の絶対値は疑いようがない。しかし歴史の法則もまた無視できない
リードアーティスト
- 2025年6月17日 アスコット クイーンアンステークス(G1) 芝1600m 7着
- 2025年5月17日 ニューベリー ロッキンジステークス(G1) 芝1600m 1着
- 2025年4月25日 サンダウン ベット365マイル(G2) 芝1600m 8着
- 能力
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- 好走と凡走を繰り返しており安定性に欠ける
- 勢い
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- G1ロッキンジSの勝ち馬でありその能力は紛れもなくG1級だ
- 可能性
-
- ジャックルマロワ賞を経由していない臨戦過程は大きな割引材料となる



スイッチが入った時は強い!今回がその日なら良いが
ゴートゥファースト
- 2025年8月17日 ドーヴィル ジャックルマロワ賞(G1) 芝1600m 5着
- 2025年4月5日 中山 ダービー卿チャレンジトロフィー(G3) 芝1600m 8着
- 2025年2月9日 東京 東京新聞杯(G3) 芝1600m 12着
- 能力
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- 前走『ジャックルマロワ賞』組であり歴史の法則に完全に合致する
- 勢い
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- 勝率37.5%を誇る『5歳馬』というデータも強力な後押しとなる
- 可能性
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- 坂と偽りの直線を克服できるスタミナは未知数であり信頼は置けないが無視もできない存在だ



2つの強力な歴史的データに合致する。押さえておきたい
最終結論:歴史と能力が示す5頭
これまでの全ての分析を総括し、歴史の法則と能力の絶対値が示す、選ばれし五頭をここに宣言する。
本命の栄誉は
最重要データである『ジャックルマロワ賞』組であり、かつ当コースでのG1好走実績を持つ唯一の馬。
歴史が、この馬こそが勝利に最も近い存在であると、力強く示している。
対抗には
当コースで行われた仏2000ギニーの覇者であり、坂と偽りの直線を克服できるスタミナは完全に証明済みだ。
連下には、G1勝利という『揺るぎなき実績』を持つ二頭、ロザリオンとリードアーティストを配置。
最重要の臨戦過程は踏んでいないものの、能力の絶対値で歴史の法則を覆す可能性を秘めており、布陣から外すことはできない。
そして、日本のゴートゥファースト
『ジャックルマロワ賞』組であり、かつ、このレースで異常なほどの好走率を誇る『5歳馬』という、二つの強力な歴史的データを満たす、唯一の存在だ。
欧州勢と比較して人気薄が見込める今回は、まさに『要注意』を示す✔︎印に最適な一頭である。
最終的な印と買い目提案
最終的な印
- ◎: ダンシングジェミナイ
- ◯: アンリマティス
- △: ロザリオン
- △: リードアーティスト
- ✔︎: ゴートゥファースト
ワイド一点チャレンジ(最重要)
ダンシングジェミナイ×ゴートゥファースト
勝利への道筋(推奨買い目)
- 本線(堅実策):
馬連/ワイド: ◎ – ◯△△ (3点) - 中核(標準策):
三連複: ◎ – ◯ – △△✔︎ (3点) - 高配当(奇襲策):
三連単: ◎◯ → ◎◯ → △△✔︎ (6点)



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