8月17日
フランス
ドーヴィル競馬場
ジャックルマロワ賞
GⅠ
芝直線1,600m
1998年夏フランスドーヴィルのあの緑の直線。一頭の日本の馬が世界を震撼させた。その名は『タイキシャトル』
あれから27年。私たち日本の競馬ファンが胸に抱き続けてきたあの熱い『夢』をもう一度見せてくれる二頭の挑戦者が現れた。
日本の新たなエース『アスコリピチェーノ』は伝説の再来となれるのか。立ちはだかるのは欧州の最強マイラーたち。この歴史的な一戦を私の『3つの視点』で徹底的に分析していこう。
今回はこれら注目の〇頭を以下の『3つの視点』でチェックしていきます。
- 絶対的な「能力」:過去の実績や持ち時計から証明されている揺ぎない力
- 逆らえない「勢い」:近走の成績や気配から見える今この瞬間の充実度
- 未来への「可能性」:今後の伸びしろや今回の条件で覚醒するかもしれない未知の魅力
それでは共に27年越しの『夢』の行方を見届けましょう。
▼その前に、レースの「傾向」を、おさらい
ちなみに先日、公開した『ジャックルマロワ賞・徹底ガイド』では過去10年のデータからこのレースを攻略するための3つの重要な『キーワード』を導き出しました。

その、キーワードとは
- 『イギリス』調教馬
- 『3歳馬』
- 『牝馬』
の3つです。
そして、今回出走する選ばれし10頭の中でこれらの『鍵』に該当するのは
- 【イギリス】ロザリオン / ノータブルスピーチ / ダンシングジェミナイ
- 【3歳】ザライオンインウィンター / リダリ
- 【牝馬】アスコリピチェーノ
となっています。
データの上ではやはり激戦。絶対的な主役は不在です。だからこそ面白い。
さあ、それでは一頭ずつじっくりと見ていきましょう
注目馬
ジャックルマロワ賞の注目馬はこちらです。

今回は出走馬の変更が多かったので全頭チェックしています
日本馬の2頭
馬名 | 短評 |
アスコリピチェーノ | 『日本のマイル女王』 世界へ |
ゴートゥファースト | 『未知の可能性に賭ける』 |
海外の8頭
馬名 | 短評 |
ロザリオン | 『GⅠ3勝3着内率100%』 トップクラスの上昇馬 |
ノータブルスピーチ | 『GⅠ2勝の実力馬』 巻き返しを狙う |
ダンシングジェミナイ | 『GⅠまであと一歩』 展開向けば逆転も |
キングゴールド | 『8歳の充実期』 勢いに乗る |
ザライオンインウィンター | 『巻き返し狙える』 距離短縮で上昇中 |
ザビアリ | 『3連勝中の上昇馬』 馬場が向けば面白い |
リダリ | 『フランスの若武者』 マイルで巻き返しへ |
ディエゴヴェラスケス | 『GⅡ3勝の実力馬』 勢いつけてGⅠ突破へ |
ジャックルマロワ賞2025注目馬チェック
ここからは注目馬のチェックをしていきます。
アスコリピチェーノ
- 2025/5/18東京芝1,600m
ヴィクトリアマイル(GⅠ)は1着 - 2025/2/22サウジ芝1,351m
1351TS(GⅡ)は1着
- 能力
-
- マイルGⅠで4戦2勝2着2回という実績はまさに『日本のマイル女王』
- その高い能力は世界でも十分に通用する
- 勢い
-
- 国内戦に限れば2着を一度も外していない『安定感は抜群』
- 常に最高の状態で走り続けており勢いに不安はない
- 可能性
-
- 欧州の馬場への適性が唯一にして最大の鍵となる
- キーワード『牝馬』に該当



日本のファンとして期待しない訳にはいかない。タイキシャトルのあの夢をもう一度
ゴートゥファースト
- 2025/4/5中山芝1,600m
ダービーCT(GⅢ)は8着 - 2025/2/9東京芝1,600m
東京新聞杯(GⅢ)は12着
- 能力
-
- 3勝クラスを勝ち上がったがその後の重賞では着外が続く
- 国内での実績は今回のメンバーに入ると少し物足りない
- 勢い
-
- マイル戦を主戦場としているが近走は着順を落としており不調気味
- ここでの一変はなかなか難しいかもしれない
- 可能性
-
- しかしこのタイミングでの海外挑戦は何か理由があるはず
- もしかしたら欧州の馬場が合うという陣営の判断があったのかもしれない



実績は物足りませんが海外で化ければ面白いはず
ロザリオン
- 2025/7/30グッドウッド芝1,600m
サセックスステークス(GⅠ)は2着 - 2025/6/17アスコット芝1,600m
クイーンアンステークス(GⅠ)は2着
- 能力
-
- G1を3勝の実績は文句なしに世代トップクラス
- 通算10戦して一度も3着を外していない驚異的な『安定感』を持つ
- 勢い
-
- 近2走はG1でハナ差、クビ差の2着だが『行きっぷり』は良い
- 勝ちきれないまでも常に最高の状態で走り続けている
- 可能性
-
- マイル路線では現役世界最強格の一頭
- 日本のエースであるアスコリピチェーノの最大の壁となる
- キーワード『イギリス』調教馬に該当



今回のレースでは鍵になる1頭
GⅠを3勝して3着内率100%とレベルの高い走りが魅力的
ノータブルスピーチ
- 2025/07/12 ニューマーケット芝1,200m
ジュライカップ(G1)は5着 - 2025/06/17 アスコット芝1,600m
クイーンアンステークス(G1) は4着
- 能力
-
- 3歳時に英2000ギニーとサセックスSのGⅠを2勝の実績は世代上位
- 能力がG1級であることは疑いようがない
- 勢い
-
- 今季は3戦してまだ勝ち星がないが勢いはある
- 着順ほど内容は悪くなく巻き返しの可能性は十分
- 可能性
-
- 前走1200mから本来のベストであるマイル戦に戻るのは好材料
- キーワードの『イギリス』調教馬に該当



高いレベルをキープして走れています。ここでも間違いなく有力の1頭
ダンシングジェミナイ
- 2025/06/17 アスコット芝1,600m
クイーンアンステークス(G1)は8着 - 2025/05/17 ニューベリー芝1,600m
ロッキンジステークス(G1)は2着
- 能力
-
- G2を連勝しロッキンジS(G1)でも2着と地力は本物
- G1でもやれる能力を持つ
- 勢い
-
- 前走こそ崩れたがG2連勝の勢いはまだ衰えていない
- 立て直してくればここでも侮れない一頭
- 可能性
-
- 展開が向けば上位陣を一気に飲み込む可能性を秘める
- キーワード『イギリス』調教馬に該当



GⅠ勝ちはありませんが匹敵する能力はあるので軽視は禁物です
キングゴールド
- 2025/06/19 パリロンシャン芝1,400m
ポルトマイヨ賞(G3)は1着 - 2025/05/25 パリロンシャン
パレロワイヤル賞(G3)は3着
- 能力
-
- 23年にモーリスドゲスト賞(G1)を制した快速馬
- 現状はGⅡ、GⅢが主戦場
- 勢い
-
- 8歳になった今もその力は衰えずG2で2着G3で1着
- 充実期を迎えており勢いはある
- 可能性
-
- ベストは1400mだが今回の1600mも対応可能
- 勢いの追い風がある今ならチャンスはある



近走は好走しておりGⅠでも上昇のチャンスを感じる
ザライオンインウィンター
- 2025/07/06ドーヴィル芝1,400m
ジャンプラ賞(GⅠ)は3着 - 2025/06/07エプソム芝2,410m
英ダービー(GⅠ)は14着
- 能力
-
- 2歳時にG3を勝ったその『ポテンシャルは世代屈指』
- 一度崩れた評価を再び取り戻しつつある
- 勢い
-
- 長い距離で大敗した後は前走1,400mG1で3着と巻き返し
- 距離短縮で勢いは間違いなく上昇
- 可能性
-
- 200m短いがジャンプラ賞(GⅠ)で同舞台を経験できたのは大きい
- スプリントかマイルなら一気に頂点まで駆け上がる可能性も
- キーワード『3歳』に該当



巻き返しの兆しあり
ここも楽しみです
ザビアリ
- 2025/06/15 シャンティイ芝1,600m
ベルトランデュブルイユ賞(G3)は1着 - 2025/05/16 シャンティイ芝1,600m
条件戦は1着
- 能力
-
- G3勝ちの実績もあり能力はある
- 重い馬場なら更にその力は増す
- 勢い
-
- 現在3連勝中と勢いはある
- 近走のGⅠ挑戦が無いのはマイナス
- 可能性
-
- 近3走は全て稍重~重馬場でのもの
- 良馬場でどこまでやれるかが最大の鍵となる



押さえておくと面白いかも
条件が合えば好走のチャンスはあるはず
リダリ
- 2025/07/20 シャンティイ芝1,600m
メシドール賞(G3)は3着 - 2025/06/01 シャンティイ芝2,100m
仏ダービー(G1)は6着
- 能力
-
- 仏2000ギニー5着、仏ダービー6着と世代トップクラスと戦ってきた
- 着順ほど走りは悪くなく地力は十分に通用する
- 勢い
-
- G1の壁には跳ね返されたが前走G3で3着と復調気配
- 今まさに成長中の3歳馬で勢いもある
- 可能性
-
- 『現状はマイル』の方が上昇の可能性を感じる
- キーワード『3歳』に該当



調子は上向きつつあるので好走を期待したい
ディエゴヴェラスケス
- 2025/07/20 カラ芝1,400m
ミンストレルステークス(G2)は1着 - 2025/06/17 アスコット芝1,600m
クイーンアンステークス(G1)は9着
- 能力
-
- G2を3勝の実績はその能力の高さを証明している
- マイル路線に絞ればG1級とも戦える力を持つ
- 勢い
-
- 前走G2を快勝しており勢いは十分
- 復調気配が色濃く今がまさに充実期だろう
- 可能性
-
- 今回はG1で相手が一気に強化される点が鍵
- 今の勢いなら侮れない一頭



能力的にはやれるポテンシャルは秘めていて狙ってみたい1頭
ワイド1点チャレンジ
ワイド1点チャレンジはこの2頭で行きます。
アスコリピチェーノ×ザライオンインウィンター
ジャックルマロワ賞2025最終結論
今回のジャックルマロワ賞
日本そして、ヨーロッパから本当に最高のメンバーが揃いましたね。
どの馬が勝ってもおかしくないまさに世界最高峰の一戦です。
しかし、その中でも
私が、最後に信じたいと思ったのは
一頭は、
クラシック路線で夢破れたこの馬が距離短縮をきっかけに本格化を迎えようとしています。前走のG1を3着で走り『覚醒』の兆し。
そして、もう一頭が
日本のマイル女王。その圧倒的な『実績』と抜群の『安定感』。データだけを見れば彼女が持つ『鍵』は『牝馬』という、一つだけの鍵。だが日本の期待と夢を背負って上昇してくれるはずです
この二頭がドーヴィルの緑の直線で共に駆け抜ける。そんな未来に賭けてみたいと思います



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