8月17日
フランス
ドーヴィル競馬場
ジャックルマロワ賞
GⅠ
芝直線1,600m
競馬の魅力は国境を越える。ブックメーカーが発表する世界ランキングの上位にはいつも欧州や米国の馬たちの名前が並んでいます。
正直に言えばそのほとんどが私たちが名前も知らない馬たち。それで良いのかと
年に数回、私たちの知っている日本の英雄たちがその世界の壁に挑んでいく。
その戦いを本当の意味で楽しむためには私たちも世界を知る必要がある。
レース概要
ジャックルマロワ賞はフランスにおける『真夏の最強マイラー決定戦』です。
その格式の高さはフランスギャロの公式サイトで『マイラーの凱旋門賞』と紹介されていることからも分かります。
賞金総額も『100万ユーロ』とマイル戦ではフランス最高額を誇りまさにヨーロッパのマイル路線の頂点を決める一戦と言えるでしょう。
舞台となるのはフランス北西部の美しい海岸線に位置するドーヴィル競馬場。
そのほぼ平坦な芝の直線1600mコースはごまかしが一切効きません。
騎手の駆け引きと馬の絶対的なスピードとパワーが問われるヨーロッパで最も過酷でそして最も美しいマイル戦の一つです。
【朗報】日本での馬券発売が決定!
- 日本中央競馬会(JRA)は8月17日のジャックルマロワ賞の馬券を発売すると発表しました。
- 発売される券種は「単勝」「複勝」「馬連」「ワイド」「馬単」「3連複」「3連単」の7種類です。
- 発走予定時刻は日本時間8月17日(日曜)22時50分です。

馬券が買えるなら気になる人も増えるはず
栄光の『歴史』と『伝説』
このレースの歴史は古く『創設は1921年』にまで遡ります。
その名は前年に亡くなったドーヴィル競馬協会の会長ジャック・ル・マロワ伯爵の功績を記念したものです。
当初は3歳馬限定戦でしたが第二次世界大戦の戦火を乗り越え1953年からは古馬にも門戸が開かれました。
その歴史に名を刻んできたのはまさに伝説の名馬たちです。
1987年と1988年を連覇し後に名種牡馬キングマンボの母となる女傑『ミエスク』
1999年の覇者『ドバイミレニアム』
そして近年では2014年の『キングマン』や2020年2021年を連覇した『パレスピア』などそうそうたる名馬がこのレースを制してきました。



偉大な種牡馬キングマンボの母ミエスクなど歴史の奥深さを感じます
日本馬、激闘の『記憶』
このジャックルマロワ賞という栄光の舞台は私たち日本の競馬ファンにとっても決して遠い国の物語ではありません。
その歴史の扉を最初に叩いたのは1986年の『ギャロップダイナ』でした。
結果は12着と世界の壁は厚かったもののこの挑戦から私たちの物語は始まったのです。
そしてその12年後。日本競馬の歴史が動きます。
1998年岡部幸雄騎手を背にした藤沢和雄厩舎の怪物『タイキシャトル』がドーヴィルの直線を世界を震撼させる末脚で駆け抜けました。
見事な優勝。
それは日本調教馬として史上初となる海外G1制覇の金字塔であり今なお語り継がれる伝説です。
その栄光は決して一度きりではありませんでした。
2003年には『テレグノシス』が3着と好走し日本馬の実力が本物であることを改めて証明。
そして記憶に新しい2022年には『バスラットレオン』もまたこの伝統のレースにその名を刻みました。
『データ』で読み解く近年の傾向
近年の傾向:データが語る『3つの真実』
さてここからは過去10年の具体的なデータからこのレースの現代の『傾向』を読み解いていきましょう。
そこには3つの興味深い真実が隠されていました。
真実①:イギリス馬の独壇場
まず最も顕著なのがイギリス調教馬の強さです。
過去10年で実に『6勝』を挙げており地元フランス馬の2勝を大きく引き離しています。
特にここ数年のレースはイギリス馬たちの独壇場と言っても良いでしょう。
真実②:レースの主役は『3歳馬』
3歳馬限定戦から始まった歴史を持つこのレース。
その名残か現代においてもレースの主役は若い3歳馬たちです。
過去10年で3歳馬は『5勝』を挙げておりこれは古馬の勝ち星を上回ります。
さらに2着8回3着4回と3着内率で見れば43.6%と圧倒的な成績。若い才能が経験豊富な古馬たちを打ち破る。それこそがこのレースの最高のドラマの一つなのです。
真実③:牝馬が強い
そしてもう一つ面白いのが牝馬の活躍です。
過去10年で4頭の牝馬が優勝しており3着内率に至っては53.3%と牡馬を圧倒しています。
ヨーロッパの牝馬のレベルの高さがこの数字に表れていますね。



キーワードは『イギリス、3歳、牝馬』の3つです
まとめ:まめたかの視点
ここまで読んでいただきありがとうございました。
こうして歴史やデータを紐解いていくとジャックルマロワ賞というレースの奥深さを改めて感じますね。
数々の伝説の名馬が駆け抜けそして日本馬たちが世界の壁に挑み続けてきた栄光の舞台。
その歴史の重みを知るだけで週末のレースが何倍も面白くそして何倍も熱く感じられるはずです。
今年の日本代表は『アスコリピチェーノ』と『ゴートゥファースト』の二頭です。
特にGⅠ2勝の実績を誇る『アスコリピチェーノ』には1998年の『タイキシャトル』以来となる27年ぶりの快挙の期待がかかります。
立ちはだかるのはヨーロッパの強豪たちですが今の彼女ならきっとやってくれるはずと信じています。



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